ゾウリムシの培養
私はコンテナにエアレーションを入れ、冬場はヒーターを使います。
ここでは、一般的なペットボトルでの培養について記載します。
培養には、大き目な炭酸用ペットボトルが丈夫で適しています。
最初のうちは、まとめ買いしているやかんの麦茶650mlにゾウリムシ培養水を500mlほど入れたものを何本か用意し、キャップに穴をあけておき、段ボール箱に入れて暗所に保管していました。穴あきキャップは培養水を密閉してしまわないための空気穴というわけです。
そのうち作る量が増え、炭酸水のほうが厚みがあって頑丈で安定感があるので1Lか1.5Lのペットボトルを使うようになりました。容器は大きいほど水面の面積も増え、失敗が少なくなります、
培養水からゾウリムシだけ漉しとって培養水と分離させてから与えている方もいるようですが、かなり時間がかかり、面倒です。私の場合、水替えをするかわりに毎日水槽から水を抜いてから、ゾウリムシを培養水ごと水槽へ入れています。一度に使う水量と本数を考えながら培養しましょう。経験上、エビオス1錠を2.5lに溶かすと不純物が出にくく、飽和量としてちょうどよいくらいです。数分で溶けるので溶けたら振って放置しておきます。ビール酵母を餌にして菌が増殖し、それがゾウリムシの餌となります。エビオス錠をハサミで切って直接培養水に入れても構いません。例えば1Lや1.5Lのボトルなら半錠を入れ、500ml入りののボトルなら、1/4錠にカットして入れます。培養には大きな容器を用い、培養液全体の量から使用する量の割合が少ないほうが使い勝手も良くなり、培養水の状態も安定しやすいです。なので、エビオスを溶かした液体を使った分だけ足すという方法をとったほうが失敗も少ないでしょう。濃度が濃いと不純物が出やすく、また、水垢もできやすくなり、そのまま放置していると腐ります。不純物ができ始めたらろ過しましょう。
我が家にはガレージがあるのでヒーターとエアレーションを入れたコンテナボックスでゾウリムシを培養しています。それからゾウリムシが動いているのがわかる程度の倍率ですがWi-Fiでスマホと接続可能な顕微鏡で培養状況を確認しています。
ガレージは半分外なので、冬場だけヒーターを使います。室内に置いておける方なら容器を段ボール箱や発泡スチロールの箱に入れて温かい室内にゾウリムシを入れたボトルをしまっておけばいいので、あえてヒーターを使わなくてもよいでしょう、これは、単に温かいほうが増えやすく、寒いと増えにくいということです。
さすがに冷えすぎると、ゾウリムシも動きが悪くなったり死滅してしまったりします。ずっと室内置きなら、冬場で多少冷える時間帯があるとしても問題はないでしょう。屋外なら5月中旬頃から常温、10月か11月頃にヒーターの使用を検討しています。
いろいろ試しました。水を張ったコンテナ内に100均で買った広口の瓶やペットボトルを入れて育ててみたこともあります。コンテナ内にヒーターを入れて温水を作り、間接的に培養水を温めて、ボトルを水の中から取り出して毎朝振っていたのですが、次第に面倒となり、コンテナ内に保温シートや水槽用のろ過用シートを巻き付けてから段ボール箱内へ入れて保温していました。(今でも1個だけ使用しています。)
今ではコンテナ内に直接ゾウリムシ入り培養水を入れて、冬場はヒーターで飼育温度を保つという方法で培養するようになり、不純物や水垢などがあれば、目の細かい網で取り除いています。ゾウリムシは微生物なので通り抜ける程度の細かい網を使っています。
地域によって朝晩の冷え込みが変わりますが、凍らなければ問題ありません。しかし、培養スピードは落ちていきます、反対に夏場は高温(30度以上)になると暑さに耐えられず死滅するようです
ゾウリムシの濃度が高いと、酸欠と水質悪化、餌不足になりがちです。毎日数回振って空気を送ります。作り置きが多すぎてもかえってマイナスとなります。飼っているメダカの数によっては、ペットボトルの大きさを大きくすることも検討し、水面の面積は広めにします。口まで入れないことです。
不純物が出たらろ過して取り除きます。網ですくったり茶葉用の不織布などで過します。ゾウリムシは小さいので隙間から培養水と一緒に流れます。つまり、不純物と分離しやすいのです。
ゾウリムシは直射日光に弱く、ずっと直射日光に当たっていると死滅しますので、屋外に放置しないよう注意してください。一番大切なのは、ペットボトルで飼育する場合は空気を送るために一日に1回以上、よく振ることです。朝起きて振り、仕事から帰ってきて振るというのが私の習慣でした。(最初、ペットボトルで培養していた頃の話です。)
餌を育てるためにお金をたくさんかけるのもバカバカしく、PSBやクロレラを購入する気は毛頭ありませんでした。
ゾウリムシの餌に何が一番いいか試した個人的感想です。よかった順です。
- 納豆のパック内に入っているビニルシートを蓋のある浅い瓶に入れて、水を少し入れて振ったものをゾウリムシの入った瓶に入れるという方法がかなり増えやすいと感じました。水の量にもよるので、放置していても不純物が少なく、よく増えました。
- 米のとぎ汁が良いとネットに書いてあったので試そうと考えたのですが、よくよく考えると自分でコメを研がないので忘れてしまいます。そこで、精米所へ行き、無料で米ぬかをもらってきました。大きな瓶に密閉し保管しておき、餌を作るときにコメの代わりに米ぬかをペットボトルに入れてよく振ってろ過すると、白っぽい液体ができあがります。これを少量ずつゾウリムシに与えていました。ろ過が甘いと、その分だけ粉状の沈殿物が溜まりますが、害はありません。2gほどを1ℓの水に入れて拡販ろ過後、しばらく放置して沈殿させてから上澄みを使いましょう。
- 同梱のエビオスは自分でも服用しているので、全滅防止用でゾウリムシを育てるために使っています。先ほど記載したとおり、私の経験上、一粒に対し2.5リットルくらいの水で薄めると不純物が少なく薄めすぎないということがわかりました。入れすぎると膜のような不純物ができます。ハサミで簡単に切れます。袋内に入れた状態で切り、錠剤半分なら1Lの、1/4なら500㎖のボトルに入れると、ちょっと多いかな?というくらいです。上澄み液を使ったら水で薄めて沈殿物が無くなるまで水を足すとよいです。
- できるだけ水面は広くすると、空気を取り込みやすくなります。ちなみに、穴あきペットボトルの蓋を同梱しているのはそのまま指で穴をふさいで振ることができ、細いスポイトなら、餌の水溶液をそのまま入れることができるからです。絶対にゾウリムシ入りの容器を密閉しないでください。酸素が取り込めません。
あると楽なのは、漏斗、目が細かすぎない水槽用の網、スポイト、茶葉を入れて使うティーバッグなどです。ダイソーで売っています。広口瓶もダイソーで買いました。網はダイソーのものだと粗すぎます。
漏斗はペットボトルに水やとぎ汁を入れる際、こぼさずに済み便利です。
網やティーバックはろ過するときに使えます。ペットボトルの口に漏斗を挿して、米ぬかを溶かした容器の口にティーバッグを当てて注ぐと米ぬかをろ過できます。
他にもさまざまな方法があるようですし、ご自身の環境にあわせてどんな方法で培養するのが一番楽なのか試すのも楽しみの一つです。
- 参考までに、無調整豆乳を入れるとよく増えますが、不純物がとても沢山出来てしまいます。そのまま餌としても使えますしろ過して使うという手もあります。無調整豆乳も普段から飲むので急ぐときは使用しています。
飲みかけや、飲み終わった容器を少量の水でゆすぎ餌に使うというのもやることがあります。飲みかけ容器を取っておいて使うのも、結構いい感じでゾウリムシが増えます。原液よりも不純物が少ないかもしれません。多く増やすのにはとても良いのですが、不純物も多く出るのであと処理が面倒ですね。もし使うなら、一滴、か二滴で十分なくらいです。
いずれにしても、培養するための容器次第ですから餌として与えるものの濃さや量は試行錯誤してみましょう。多いよりは少なめからやったほうが失敗が少ないでしょうし、餌をたまに変えたり混ぜたりもします。
こんな感じですが、参考になれば幸いです。
なお、培養に使うもの自体がゾウリムシの栄養となるわけではなく、そこから発生する細菌類を食べるので、そのまま入れても培養しますが、日光に当てるなどして数日から数週間放置してからゾウリムシに与えると、より効果があるという考え方もあるようです。